Original Love 「Xmas Love」LIVE


12月17日、渋谷SpotifyO-EASTで行われたオリジナル・ラブのクリスマスライブは凄い盛り上がりだったけど夏のバンドツアーにしろひとりソウルショウにしろ毎回凄い盛り上がりで個人的にはどのライブも甲乙つけがたいのだが、今年最後だったこのワンマンライブを取り上げるのは複数のテーマが反映されたセットリストが素晴らしくてとても見所、聴き所の多いライブだったという単純な理由からである。

そのテーマというのは三つほどあって

・クリスマスソングのカバー

オリジナル・ラブの“冬曲”

オリジナル・ラブ“ジャズトリオ”

では、セットリストがこちら。

1、Organ Grinder Swing/Jimmy Smith (COVER)

2、優しい手~Gentle Hands

3、月の裏で会いましょう

4、This Christmas/Donny Hathaway(COVER)

5、I Got My Mojo Working/Jimmy Smith(COVER)

6、グッディガール

7、Blue Christmas/Elvis Presley(COVER)

8、プライマル

9、接吻

10、Have Yourself A Merry Little Christmas/Frank Sinatra(COVER)

11、ソウルがある

12、Music,Dance&Love

13、bless You!

14、BODY FRESHER

15、朝日のあたる道

16、Winter's Tale~冬物語

アンコール①

17、フリーライド

18、Four On Six/Wes Montgomery(COVER)

19、R&R

アンコール②

20、BODY FRESHER

 

Guitar&Vocal 田島貴男 Hammond Organ 河合代介 Drum 大槻“KALTA”英宣

 

このセトリはライブを観た人がSNSで挙げていたのだけれどジミースミスとかよく特定出来るなぁ、と。ウェスモンゴメリーも聴いたことあるようなないような、曲名までは分からなかった。さすがオリジナル・ラブのファンにはこの辺に詳しい人がいるものだ。自分が会場にいて分かったのはダニーハザウェイとプレスリーとシナトラ。でもこれは定番曲だったからで今回のカバー曲は自分より年齢層が上の皆さんに向けての選曲だったかも知れない。

オリジナル・ラブの冬曲の中でこの時期のライブでしか聴けないのは「プライマル」と「Winter's Tale~冬物語」だろうか。「プライマル」は大好きなバラードでこれは一人テンションが上がってしまった。「Winter's Tale」は元々は高野寛さんとのコラボで発表されたCMソングだったかと。その頃をリアルタイムで知る人には思い入れの深い曲なのだろう。「月の裏で会いましょう」は冬に合う曲だけど年中聴いていたい曲で自分は毎回ライブの後でこの曲があったかなかったか確認しているようなところがある。今回は“有り”で嬉しかった。

今年は数年ぶりにジャズ専門のライブハウスへ行って生の演奏を聴いたりしてジャズにハマってた一年だったけど普段からギターリストのアルバムは聴いていなくて今回のライブではまたまた目から鱗が落ちた。「Xmas Love」以降、ウェスモンゴメリーを毎日聴いている。考えてみたらオリジナル・ラブほどハモンドとジャズギターの音色が似合うJ-POPのバンドって他にないんじゃないのか。デビューアルバム『LOVE!LOVE!&LOVE!』以来、曲の歴史がその様に感じさせるというか。今では当たり前のようにハモンドとジャズギターってJ-POPで使われるけどそれを当たり前にしたのはオリジナル・ラブの功績ではないか、と。田島さんが「間違ったら笑ってやって下さい」と言って始まった「Four On Six」はバッチリ決まっていた。オリジナル・ラブの曲との親和性も申し分ないものだった。

WYNTON KELLY TRIO/WES MONTGOMERY『SMOKIN' AT THE HALF NOTE VOL.2』1965年


Wes Montgomery-Four On Six(1965)-Guitarra de Jazz

ちなみに全く蛇足ながら「Four On Six」が収録されているウェスモンゴメリーの『SMOKIN' AT THE HALF NOTE』ってアルバム、ドラム、ベース、ピアノのリズム隊が『ブラックホークのマイルスデイビス』と同じなのです。名盤ですよ、これ。

 

オリジナル・ラブ夏の全国ツアー、大阪は6月25日だったけれどこの日はたまたま他のアーティストさんのチケットが取れてしまったのでそちらを優先して7月の中野サンプラザへ行ったのだがなぜもっと早くに来なかったのか後悔するぐらい音が良かった。さすが山下達郎さんがお気に入りのホール会場だけあって大阪のフェスティバルホールと同等の音が鳴っていた。ライブの一曲目「心理学」のオープニングからドラムとベースの音が素晴らしくてもうその時点でここにきて良かったと思ったぐらい。ちょうどその時の様子がYouTubeに挙がっている。

ORIGINAL LOVE『結晶』1992年


Original Love 心理学 From Live At NakanoSunplaza Hall.24th July,2022

 

今年のひとりソウルショウ、大阪は平日だったので10月30日、日曜開催の京都磔磔へ。この日のテーマはまだ発売前だったニューアルバム『MUSIC,DANCE&LOVE』の曲を初めて披露するというもの。当然大半の客が初めて聴くので田島さんから「棒立ちにさせてしまって」と笑わせてもらいながらの観覧だった。『MUSIC,DANCE&LOVE』については磔磔でも解説されていたけれどメディアであるとかSpotifyでも一曲一曲詳しい解説が田島さん御本人から聞けるのでそれが全てだと思う。個人的には何度も繰り返し聴ける音作りがなされていたことに安心したというか良かった。自分は“これぞ”というアルバムは必ずCDで聴くので尚更そう思うのかも知れない。毎年のことだけど来年はどんなライブが観れるのか楽しみなのである。

Original Love『MUSIC,DANCE&LOVE』2022年


Original Love&TENDRE-優しい手~Gentle Hans