『feel good』2013年
Odd Futureなるクリエイティブ集団のリーダーTYLER,THE CREATORの新譜がなかなか良い。
『SCUM FUCK FLOWER BOY』2017年
前作よりハードコアなデステクノみたいなトラックが少なくなり、その分メロウな曲が増えて聴きやすくなっている。TYLERのCDを買ってしまうのはメロウなトラックがすごくいいからであってラップが苦手な自分でも‘美しい’という形容がぴったりなバックトラックを聴いているだけで心地よくなってくる。今回のアルバムが今までで一番売り上げがいいというのも頷ける出来である。
Odd Futureの中で一番有名なバンドがTHE INTERNET(現在は脱退)であろう。
ネオソウル(フューチャーソウルという呼び名は同義語?)といわれ始めたD'ANGELOやERYKAH BADUに全くハマらなかった自分が初めてネオソウル系にハマったのがINTERNETの『feel good』だった。SYD THE KYDというモヒカンヘアーの女性ボーカルとトラックメーカーのMATT MARTIANSを中心にこれまで3枚のアルバムをリリースしている。
ネオソウルムーブメントがアシッドジャズの頃と違うのはアシッドジャズがバンドサウンドだったのに対してネオソウル系のバンドには必ずDJ/トラックメーカーと呼ばれる人物がいてより実験的、先鋭的な音になっている点。曲の作り方がPC中心になったことが影響しているのだろう。
『feel good』は実験的、先鋭的な音と従来からあるジャズ、R&Bのメロウな側面とが上手く融合した傑作でグラミー賞ノミネートで一躍注目を集めた『EGO DEATH』と合わせて聴きたい作品である。
『EGO DEATH』2015年
2017年はINTERNETのメンバーSYDとMATT、STEVE LACYがソロ作品をリリースした。
SYDの『Fin』は普通の歌モノR&B作品。
『Fin』2017年
名だたるミュージシャン、プロデューサーが参加していてかなり期待して聴いたが少々ガッカリだった。INTERNETでのジャズコードのメロディーラインは彼女からではなくMATT MARTIANSの方だった。
『The Drum Chord Theory』2017年(配信のみ)
タイトル通りドラムをメインに据えたようなトラックが多いが彼のメロディーメーカーぶりはもっと注目されてもいいと思う。
THE INTERNETは2018年1月に来日公演が予定されている。2016年の時はソールドアウトで行けず、今回は先行予約抽選を無事に突破した。初めて観る彼らのLIVEが今から楽しみである。