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ミュージックレビュー

LESLEY DUNCAN 「I Can See Where I'm Going」「Heaven Knows」

LESLEY DUNCANは1960年~70年代に活動していたイギリスのシンガーソングライター。

先日、彼女のCBS時代の1stと2ndアルバムを買い足して彼女が生涯に残した主要5作品が揃った。全てのアルバムプロデュースはLESLEYの最初の夫であるJIMMY HOROWITZという人でLINDA LEWISのアルバムを手掛けたことがあるという人物。

LESLEYの1st、2ndは正統派ブリティッシュフォークという印象で転機になったのはGMレーベルへ移籍した3rdアルバム『Everything Changes』からだろうか。

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Lesley Duncan『Everything Changes』1974年

このアルバムからアメリカナイズされ始め、続く『月光浴』では

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Lesley Duncan『Moon Bathing』1975年

フリーソウルの要素が加わり、ラストアルバム『MAYBE IT'S LOST』では

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LESLEY DUNCAN『MAYBE IT'S LOST』1977年

ディスコティックっぽさもあり、という感じ。同じプロデューサーであるにも関わらず変化していったのは時代の要請だっただろうか。中でもやはり一番いいのは代表作である『月光浴』。元々の持ち味であるフォーク色にフィラデルフィアソウルばりのストリングスとグルーヴィーなベース音が加わりポップスアルバムとして出来上がっている。ポップミュージックにソウル、R&Bの要素が不可欠であることを教えられているような作品だ。


Lesley Duncan - I Can See Where I'm Going


Lesley Duncan - Heaven Knows

上記に挙げたアルバム3作のジャケットって本当に美しい。サブスクしか利用していない人にこの素晴らしさは伝わるだろうか。音楽を聴くこととは実物を所有することである。

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LESLEY DUNCANは二番目の夫である元PENTANGLEのTERRY COXと共に移り住んだスコットランドのマル島で2010年3月12日に亡くなっている。享年66歳。僭越ながら彼女のことを取り上げるなら3月であろうと、以前から思っていた。