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ミュージックレビュー

LAURA NYRO『A LITTLE MAGIC, A LITTLE KINDNESS』

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『A LITTLE MAGIC, A LITTLE KINDNESS』2017年

ファンであればすぐピンとくるフレーズがタイトルのこのアルバムはLAURA NYROのデビューアルバムとセカンドアルバムをモノラルMIXしたマニア向けの作品。

 

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『MORE THAN A NEW DISCOVERY』1967年

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『ELI AND THE THIRTEENTH CONFESSION』1968年

12月に発売される予定の1stと2ndの限定盤に収録されているMONOバージョンとは同一内容であると予想されるため本作を買うと内容がダブることになる。自分はLAURAの熱心なファンなのでオフィシャルで発売された本作は購入したがLAURAを初めて聴くという人にはオススメ出来ない代物である。率直な感想を述べるとすると、バックの演奏部分をモノラルにしてLAURAのボーカルには手を加えていない模様。今の技術でのリミックスなのでそれなりに音は担保されているが全体的に音域が萎んでしまったような印象を受ける。そのせいで肝心のボーカルも迫力が減少したようにも思える。それがモノラルMIXと言われればそれまでだがそもそもなぜステレオ⇒モノラルにする必要があるのだろうか。

自分はThe Beach Boys『Pet Sounds』

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『Pet Sounds』1966年

のモノラル⇒ステレオのCDを持っているけど元々モノラルで制作された作品を最新技術でリマスターするのだからこれは価値があると思った。しかしどちらのバージョンが好みかというと微妙なところだ。ビートルズマニアの友人に話しを聞くとメンバーがレコーディング中にスタジオで音を聴いていた環境をそっくりそのまま再現して聴くことが出来れば一番いいらしい。制作者側の意図が最も汲み取れるという訳だ。

今回のLAURAの場合、ボーカルが聴きやすくなったと思えなくもないが【ローラのアルバムをモノにしたらどんな風になるだろう】というファンの好奇心に応えることが最大の目的だったかも知れない。


Laura Nyro - Wedding Bell Blues

 別の視点で考えるとモノラルMIXが出るなんて亡くなってからLAURAに対する音楽メディアのあり方はずい分変化したと思う。生前の彼女はトップテンヒットに縁がないミュージシャンであり、多くのヒット曲を生み出したソングライターとしては認知されていても例えばCAROLE KINGJONI MITCHELLと比べると地味な存在だったと記憶している。『イーライと13番目の懺悔』が最初にCD化されて日本盤が発売された時、もう他の旧作は日本盤で出ないだろうなぁと思っていたことを覚えている。

ナンバーワンヒットを飛ばしたことがあるミュージシャンでも二十年もたてば忘れ去られている人もいるだろう。亡くなってから二十年になるLAURAの作品はもはやクラシックロックの仲間入りを果たしたと言えそうだ。

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